監修:名古屋大学大学院 医学系研究科
精神医学・親と子どもの心療学分野 教授
尾崎 紀夫 先生
うつ病の再発を予防するためには、もとの生活や職場に復帰できたあとも、くすりによる治療を続けることが大切です。症状が改善されたあともしばらく抗うつ薬による治療を行った場合は、行わない場合に比べて再発する患者さんが少ないといわれており、うつ病の再発予防のために治療を続けることの効果が認められています。
はじめてうつ病になった患者さんでは、およそ半年間はくすりを飲み続ける必要があります。特に、うつ病の再発を何回か繰り返した患者さんや、まだ症状が残っている患者さん、重症のうつ病と診断された患者さんでは、1~3年程度の長期にわたり治療を継続する必要があります。
抗うつ薬をどのくらい飲み続けるかは、医師と十分に相談していただくことが重要です。また、抗うつ薬をしばらく飲み続ける再発予防以外には、「物事の“とらえ方”」を調整するトレーニング(認知行動療法)を行うと、再発する患者さんが少ないといわれています。