監修:名古屋大学大学院 医学系研究科
精神医学・親と子どもの心療学分野 教授
尾崎 紀夫 先生
症状がつらいときには物事への興味や関心が低下し、楽しむ気持ちも失っているため、気晴らしに誘ってもかえって患者さんにとっては苦痛となる可能性がありました。しかし、興味や関心が少しずつ戻ってきた時期では気晴らしをして、楽しむ気持ちを感じることもよいリハビリになります。
ただし、そのときに患者さん本人に少しでも「やってみたい」という自発的な気持ちがあるかどうかを確認してください。気晴らしに誘うときには、「無理をせずに、自分の気持ちに正直になって、やってみたいと思うなら一緒にやろう」と声をかけてあげてください。
また、やりすぎに注意するために、ご家族は患者さんが「やれる」と思うことの半分からスタートするようにサポートしてあげてください。例えば、街へショッピングに誘うなら5軒のお店に行ってみたいところを2軒にしておき、行きは電車やバスなどで行っても、帰りはタクシーで帰ってくるなど、やってみたいことの半分の量からはじめてみてください。
そして、気晴らしをしたあとは、「楽しめた?」、「疲れてない?」と患者さんに確認して、疲れが大きいときには次回からはもう少し減らしてみるなどの調整をしてあげてください。
上記の症状の他にも気になる症状があらわれた場合は、医師または薬剤師にご相談ください。