監修:名古屋大学大学院 医学系研究科
精神医学・親と子どもの心療学分野 教授
尾崎 紀夫 先生
うつ病の症状が重くつらい時期では、はげましが逆効果になるのは、「何から手をつけてよいのかわからない」状態だからですが、回復が進み「今、何をやればよいのか」、「何をやらずにおけばよいのか」ということが判断できるようになれば、患者さんが「これだけはやろう」と思えることを、ご家族がそっと支えてあげることが大きな助けになります。回復が進み、もとの生活へ復帰していくには、ご家族から「それをやってみればいいね」という支えをもらい、一歩一歩進んでいくことが重要です。
ただ「がんばれ」とはげますのではなく、まず優先順位をつけて、「何はやらなくてもよいのか」ということを確認したうえで、「これだけはやろう」という方針を患者さんと確認してください。患者さんがこの優先順位に十分に納得できれば、今やるべきことを応援してあげてください。
そして、患者さんができたときにはしっかりと褒めてあげてください。ずっと自分をみてくれていたご家族に褒めてもらえることで、「自分でもできるかもしれない」と自信を取り戻すことができます。
また、やってみて、患者さんがどのように感じたのか、ご家族から聞いてみてください。まだ疲れが目立つなど無理をしているようなら、ブレーキをかけてあげてください。