監修:名古屋大学大学院 医学系研究科
精神医学・親と子どもの心療学分野 教授
尾崎 紀夫 先生
うつ病は悪化するとつらさのために消えてしまいたくなることもあり、命にもかかわる病気です。
ご家族は、このことを理解して対処することが大切です。
そのため、もっとも重くつらい時期(急性期)は、できるだけ患者さんのそばにいてあげてください。朝、早くに目が覚めて不安が押し寄せてきたとき、隣で寝ているご家族の顔をみるだけで安心できるかもしれません。
特別なことができなくても、一緒に寝る、ご飯を食べるなど、生活をともにするだけで、患者さんにとっては大きな支えとなっています。
上記の症状の他にも気になる症状があらわれた場合は、医師または薬剤師にご相談ください。
もしも、「消えてしまいたい・・・」といわれたら
うつ病がひどいときに、もし、「こんなにつらいなら、もう消えてしまいたい」と患者さんが口にしたときには、すぐに医師に相談してください。患者さんのつらさを受け入れながらも、自ら命を絶たないという約束をしてもらうことが必要です。病院でも医師は、まず患者さんと「自分から命を絶たない」約束をしますが、誰よりも深いつながりのあるご家族と約束しておくことは重要な意味をもちます。「消えてしまいたい・・・」という気持ちはうつ病の症状であり、治療によって消えていくものです。
患者さんが万一自ら命を絶とうと考えても、家族がすぐそばにいることで、踏みとどまる気持ちになることもあるのです。