不安症とは?
不安症とは、差し迫った出来事に対する恐怖や、将来に対する不安が過剰となり、行動や社会生活に影響を与える状態が、成人の場合は6か月、子どもの場合は4週間、続いている状態です。
恐怖や不安は現実の出来事や、身体疾患、特殊な物質の使用、治療薬、環境刺激などによって生じることがありますが、そのような理由のある恐怖、不安は含めません。
また不安とともに、動悸、呼吸困難、震え、発汗などの身体症状が生じることもあります。特にパニック発作と呼ばれるタイプでは、強い不安と共に、こうした身体症状が急激に生じることが特徴です。
(国立精神・神経医療センター 精神保健研究所 こころの情報サイト)
もしかして…不安症?
私たちは日々の生活の中で、誰もが少なからず「不安」や「心配」を感じながら生きています。大切な試験や仕事の前、人間関係のなかでの緊張、将来への心配。不安や心配というものは、ごく自然な感情です。しかし、その感情が強過ぎたり、長く続いたりすると、心や体に大きな負担となり、日常生活に影響を与えることがあります。
「もしかして自分だけがおかしいのでは?」と思ってしまうかもしれませんが、不安や心配は誰にでも起こりうるものです。そして、この不安や心配に気づき、理解し、必要なときにサポートを求めることは、決して弱さではなく、むしろ自分を大切にする強さのあらわれです。
ここでは、「不安症」について知っておきたい7つの大切なメッセージを紹介します。前向きに心と向き合うきっかけになれば幸いです。
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長く続く不安や心配は、「性格のせい」とは限りません。
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不安や心配が長く続くと、「自分の性格が弱いから」「性格の問題かもしれない」と考えてしまうことがあります。しかし、慢性的な不安は脳や神経の働きが関係しており、単なる性格の問題ではありません。誰にでも起こりうる心の健康の問題であり、本人を責める必要はないのです。こうした不安や心配は、生活環境やストレスの影響を受けて増すこともあります。大切なのは、自分を責めずに、必要なサポートを受けることです。サポートを得ることで、心も体も少しずつ楽になっていきます。
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不安や心配は気づかないうちに、心や体にじわじわと影響を与えることがあります。
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不安や心配は気持ちの問題だけでなく、心や体にさまざまな影響を与えることがあります。たとえば、眠れなかったり、疲れやすくなったり、集中力が続かないといった症状が現れることがあります。また、肩こりや胃の痛み、動悸など、身体の症状として表れる場合もあります。これらは本人が気づかないうちに積み重なっていくことが多いのです。心と体は密接に結びついているため、不安症のサインを見逃さずに気づくことが大切です。小さな変化にも目を向けることで、早めのケアが可能になります。
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不安や心配は自然なものであり、適切なサポートがあればきちんと向き合うことができます。
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不安や心配は誰にでも起こる自然な感情であり、全く異常なことではありません。しかし、強い不安や長く続く心配は、日常生活に影響を与えることがあります。その場合、一人で抱え込むのではなく、専門家のサポートを受けることが大切です。カウンセリングや治療、家族や周囲の支援によって、不安や心配は軽くなり、コントロールすることができます。また、早めに対処することで、症状が深刻化するのを防ぐことが可能です。自分に合った支援を見つけることが、安心して生活する第一歩となります。
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心配や落ち着かなさ、緊張など。不安や心配は思いがけない形であらわれることがあります。
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不安や心配は、人によってさまざまな形であらわれます。心配しすぎるだけでなく、気持ちが落ち着かない、体がこわばる、胃の調子が悪くなるなど、身体的な症状として出ることもあります。「なぜ体がつらいのだろう」と感じたとき、不安や心配が背景にある場合も少なくありません。こうした症状に気づくことは、自分の状態を理解する第一歩です。また、症状の種類や出方を知ることで、必要なケアや支援につなげやすくなります。自分の体と心の声に耳を傾けることが大切です。
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不安や心配は特別なものではなく、誰にでも、どこででも起こりうるものです。
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不安や心配はとても身近な感情であり、年齢や性別、環境に関係なく誰にでも起こります。「自分だけがこんなに不安なのでは」と感じる必要はありません。日常生活の中でストレスに直面したときに不安を感じるのは、自然で普通の反応です。また、多くの人が似たような経験をしていることを知るだけでも、気持ちが少し軽くなることがあります。自分だけではないと理解することで、孤独感や自己否定感も和らぎます。不安や心配を特別視せず、自然なものとして受け止めることが大切です。
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不安症にはいろいろなタイプがあり、なかには心配ごとが長く続いて止まらなくなることもあります。
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不安症には、さまざまなタイプがあります。「ただの心配性だから」と思って放置すると、日常生活や仕事、学業に大きな影響が出ることもあります。こうした不安や心配は、適切な治療や支援を受けることで軽減される可能性があります。長く続く不安や心配は自分だけの問題ではなく、専門家と一緒に向き合うことが大切です。早めに理解し、対処することが安心への近道となります。
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心の健康を大切にすることは、弱さではなく「強さのしるし」です。
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「心の不調を話すことは弱さだ」と感じる人も少なくありません。しかし、自分の心を守るためにケアをすることは、勇気ある行動であり、本当の強さのあらわれです。必要なときに支援を求めることは、前向きに生きるための大切な一歩です。心の健康を大切にすることは、安心して暮らすための選択でもあります。こうした考え方が社会全体に広がることで、誰もが孤立せずに心をいたわることができるようになります。自分をいたわることは、弱さではなく「生きる力」の証です。
おわりに
不安や心配は、誰にとっても身近で自然な感情です。しかし、それが強くなったり長く続いたりすると、心や体を大きく疲れさせてしまいます。そんなときは、「自分が弱いから」と責めるのではなく、信頼できる人や専門家に相談することがとても大切です。
心の健康を守ることは、決して特別なことではなく、よりよく生きていくための一歩です。不安や心配と向き合い、自分を大切にすることは、あなたにとっての強さの証でもあります。一歩ずつ、自分のペースで、心のケアを続けてみましょう。そのやさしい積み重ねが、穏やかに安心できる日々を育んでいきます。
出典元
知ることからはじめよう「こころの情報サイト」(精神保健研究所70周年記念事業)
「こころもメンテしよう」(厚生労働省)
“Anxiety Disorders”, National Institute of Mental Health