監修:名古屋大学大学院 医学系研究科
精神医学・親と子どもの心療学分野 教授
尾崎 紀夫 先生
抗うつ薬の副作用として「性機能障害」、「月経不順」、「体重の増加」などがあらわれることがあります。うつ病の症状がもっとも重くつらい時期にはこれらの症状も気にならないのですが、症状が安定してくる時期では気になりはじめ、くすりを飲まなくなってしまう患者さんもいます。患者さんの訴えを「今は病気だから仕方ない」と流さずに、担当の医師に相談するように勧めてください。またご本人が相談しにくいようなら、ご家族が付き添って医師と相談するようにしてください。これらの副作用が出にくいくすりへの変更を検討することもできます。
勝手に患者さんが治療をやめてしまうと、せっかく改善してきた状態がまたもとに戻ってしまう危険性もあります。そのうえ、一度くすりによる治療を自己判断でやめたあとに再発してしまうと、再発するたびに徐々にくすりの効果が落ちてしまう場合があることがわかっています。
上記の症状の他にも気になる症状があらわれた場合は、医師または薬剤師にご相談ください。