監修:医療法人社団 新光会 不知火クリニック 副院長
産業医科大学 名誉教授
中村 純 先生
うつ病はその症状のあらわれ方で、大きく2つに分類されています。
抑うつ状態だけが起こるタイプの「うつ病(大うつ病性障害)」と、抑うつ状態と躁(そう)状態の両方が起こる「双極性障害」です。
うつ病注)(大うつ病性障害)
さまざまな生活上のストレスが引き金(誘因)となることもあり、現在このタイプの患者さんの数が増えています。抑うつ気分や物事に対する興味や関心が低下するこころの症状のほかに、体重の減少、疲れやすい、不眠といったからだの症状があらわれます。
注)アメリカの診断基準「DSM-5」では、うつ病のことをmajor depressive disorderとしているため、これを日本語に訳して、現在はうつ病(正式には大うつ病性障害)と呼ばれています。
双極性障害抑うつエピソード
以前は「躁うつ病」と呼ばれていました。非常に元気がよくなって、何でもできると思い込む躁の状態と、抑うつ状態の2つの極端な気分の波があらわれるのが特徴です。抑うつ状態のときの症状自体は、うつ病と異なるものではないので、うつ病と間違われることもあります。
うつ病と双極性障害の抑うつエピソード(躁うつ病のうつ状態)はその原因や経過だけでなく、くすりや治療法も基本的に異なります。
上記の症状の他にも気になる症状があらわれた場合は、医師または薬剤師にご相談ください。