監修:名古屋大学大学院 医学系研究科
精神医学・親と子どもの心療学分野 教授
尾崎 紀夫 先生
「症状もよくなってきたので、仕事や家庭生活に復帰する準備を少しずつはじめましょう」と医師にいわれると、うつ病が治ったと思い、それまで続けていた治療をやめようと思う患者さんがいます。しかし、うつ病は再発の可能性がある病気ですから、しばらくは同じ量のくすりで、少なくとも半年間は治療を維持していくことが基本とされています。
「復帰する」という大きな変化に対応していくためには、それ以外のことは変えないようにすることが大切なのです。
生活が軌道に乗るまで、くすりが背中を押してくれると考え、今まで通りに医師の指示にしたがってくすりの服用を続けてください。
また、故意にくすりをやめるつもりがなくても、仕事や家庭生活への復帰をはじめると朝が忙しくなったり、昼は外に出ることが多くなるため、飲み忘れにも注意しましょう。