監修:医療法人社団 新光会 不知火クリニック 副院長
産業医科大学 名誉教授
中村 純 先生
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うつ病が回復してきたのですが、復職や他の会社への就職はできるのでしょうか?
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うつ病が回復すれば、復職や他の会社への就職は十分可能です。
これまで一緒に治療をしてきた医師、治療中の生活を支えてくれた家族、そして復帰する職場や新しい会社の方々と相談しながら、復帰への道筋を進めていきましょう。
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うつ病が回復して職場への復帰を考えているのですが不安です。
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仕事をしていた方がうつ病のために休職した場合、一人で職場復帰を考えていると不安になることも多いと思います。
医師やご家族の方とよく相談しながら、うつ病になったときの状況を振り返って確認し、復帰したあとに同じような状況に陥った場合の対処方法について、具体的に検討することが大切です。また、復職先の職場の方(産業医の先生や上司など)とも話しあい、ご自身の状態にあわせて段階的に復帰して、徐々に仕事に慣れていくことも必要になります。
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うつ病から回復して十分に睡眠がとれていたのですが、最近また眠れなくなってきました。
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睡眠をとることが難しくなってきた場合、うつ病がぶり返している可能性もあります。
うつ病が回復してきても、起床時間と睡眠時間、眠れていない時間などを日々記録するなど、ご自身の睡眠の状態について常に意識をもつことが大切になります。医師やご家族の方とも相談しながら、睡眠のリズムを整えていきましょう。
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もとの職場に復帰したのですが、業務や作業が思うようにできず悩んでいます。
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うつ病で休んでいる間に職場の環境が変化したりすることにより、復帰したときに馴染むことが難しい場合もあるはずです。
職場の状況を把握するためには、周りの人に状況を教えてもらいながら、少しずつ仕事を増やしていくことが大切です。ひとりで悩まずに、周りの人とよく相談しながら、焦らず徐々に慣れていきましょう。
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うつ病が回復してきたのですが、朝起きられない、本が読めない、という日があります。
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うつ病はよくなったり、悪くなったりを繰り返しながら、徐々に回復していく病気です。
調子が悪くなったときに焦ってジタバタすると、ますます調子が悪くなります。少し待っていれば、調子の悪さも抜けていきますので、悪い時期が通り過ぎるのをじっと待つことも必要です。うつ病の経過の波に振り回されないようにすることも、うつ病の治療をスムーズに進めるためには大切です。
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うつ病は再発を繰り返すと聞き不安です。再発させないための工夫などはあるのでしょうか?
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うつ病の再発を予防するためには、もとの生活や職場に復帰できたあとも、くすりによる治療を続けることが大切です。
抗うつ薬をどのくらい続けるかは、医師と十分に相談していただくことが重要です。また、抗うつ薬をしばらく飲み続ける再発予防以外には、仕事量を減らすなどの生活改善や「物事の“とらえ方”」を調整するトレーニング(認知行動療法)を行う場合もあります。
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(うつ病が回復してきても)くすりは飲み続けなければいけないのでしょうか?
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うつ病の再発を遠ざけるためには、症状が軽くなった、回復したと感じても、しばらくはくすりを飲み続けたほうがよいことがわかっています。
一般的には治ったと思っても減量せずに6か月間は服薬を継続することを勧めています。
また、急にくすりをやめると、中止後症状と呼ばれる、耳鳴りやめまいなどの症状があらわれることがあります。くすりは医師の指示にしたがって飲むようにしてください。