監修:金沢大学 名誉教授
アイリスメディカルクリニック
院長 越野 好文 先生
パニック障害を治療していくときは、治療の目標を決めて、少しずつ段階的に症状を改善していきます。
まず、パニック発作を抑える治療をします
パニック障害の薬物治療は、主に選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)とベンゾジアゼピン系抗不安薬でスタートし、まずはパニック障害の中心であるパニック発作を抑えることを目指します。
SSRI は少量から服用を始め、少しずつ服用量を増やします。SSRI は十分な効果があらわれるまでに2 ~ 4週間かかるため、効果が速くあらわれるベンゾジアゼピン系抗不安薬を一緒に服用して、パニック発作が起こらないようにします。
ベンゾジアゼピン系抗不安薬は「依存状態になる」と言われることがありますが、医師の指示をきちんと守って服用すれば安全です。
くすりの飲み始めや増量時に副作用があらわれることがあります
SSRI の飲み始めに、吐き気や下痢などの副作用があらわれることがありますが、多くの場合は1 ~ 2週間程度で自然におさまります。また、飲み始めや増量時に、不安やイライラ・ソワソワなどの症状※があらわれることもありますが、服薬量を加減することでほとんどの場合は対応できます。
※その他、興奮しやすくなる、怒りっぽくなる、などもあります。
気になるような症状がある場合は、がまんしたり勝手にくすりを飲むのをやめたりしないで、医師に相談しましょう。