パニック障害とは

パニック障害ってどんな病気?

監修:金沢大学 名誉教授
アイリスメディカルクリニック
院長 越野 好文 先生

概要

パニック障害では、思いがけないときに突然、動悸や息切れ、強い不安を伴うパニック発作が生じます。
そしてパニック発作が繰り返されるうちに、発作に襲われることに対する予期不安や発作が生じる状況に対する広場恐怖を感じるようになり、毎日の生活に支障をきたすようになってしまいます。治療が不十分で病気が進行してしまうと、うつ病うつ状態になるおそれもあります。

パニック障害の症状 パニック発作 → 予期不安 → 広場恐怖 → うつ病・うつ状態 パニック障害の症状 パニック発作 → 予期不安 → 広場恐怖 → うつ病・うつ状態

このような不安や恐怖は、「考えすぎ」や「心配性」など気持ちのもち方や性格の問題と思われてしまいがちです。
しかし、パニック障害は脳の働きが普段のときとは変化しているために、医学的な治療が必要な状態であることが最近の研究でわかっています。
パニック障害は100人に1人はかかるといわれており、だれでもかかるおそれのある病気です。前向きに治療しましょう。

上記の症状の他にも気になる症状があらわれた場合には、医師または薬剤師にご相談ください。

※越野 好文 ほか:「パニック障害」 メディカル・ガイド- 診断から回復まで. 講談社, 2006

パニック障害になりやすい人は?

パニック障害の患者さんは、「女性」「若年者」「一等親(親、兄弟、同胞)がパニック障害」の場合に多いことが知られていますが、だれでもかかる可能性のある病気です。

パニック障害の原因は?

原因は、今のところまだはっきりしていないところもあります。しかし、これまでの研究から、パニック障害は気持ちのもち方でなく、脳内の不安に関する神経系の機能異常に関連していることがわかっています。これは、パニック障害の患者さんでは、脳の3つの部分に通常とは違った変化が起こっていることが指摘されているためです。脳の各部位のそれぞれがもつ機能に応じて、パニック発作や予期不安、広場恐怖などの症状があらわれていると考えられています。これらの部位はお互いに関連しあってネットワークを作っています。

イメージ図 脳 イメージ図 脳

(1)大脳

思考や意思などの高度な精神活動にかかわる場所です。パニック障害ではこの部位のセロトニンの分泌異常により、回避行動などが生じると考えられています。

(2)大脳辺緑系

本能的な不安や興奮が生まれる場所で、ここで分泌されるセロトニンという物質がその調整を行っています。パニック障害ではこの部位のセロトニンの分泌異常により、漠然とした強い不安が続くのではないかと考えられています。

(3)青斑核・視床下部

青斑核は脳内で警報装置のような役割をしていて危険があるとシグナルを出し、このサインを視床下部がキャッチし血管や心臓、汗腺に反応を起こします。パニック障害ではこの部位の誤作動により、危険がないのにもかかわらず、パニック発作が起こってしまうのではないかと考えられています。